変圧器などの絶縁用の油に使われていた有害なPCB=ポリ塩化ビフェニルの処理が遅れていることから、環境省は、全国5か所の施設で受け入れているPCBを含む製品の種類などを見直し、平成37年度までに処理を終えるとする新たな計画案をまとめました。
この計画案は、13日開かれた有識者の検討委員会で了承されました。 PCBは変圧器などの絶縁用の油に使われていましたが、皮膚炎などの健康被害が相次いだため、製造や使用が禁止され、全国5か所の施設で無害化する処理が進められています。
環境省は当初、平成27年度中に処理を終える計画でしたが、作業環境の安全確保などに時間がかかったため、進捗(しんちょく)が大幅に遅れていて、国際的な条約で求められている平成40年までに処理が終わらず、最も時間のかかる施設では、平成49年度まで続く見通しになっていました。
環境省がまとめた新たな計画案では、東京・江東区、愛知県豊田市、大阪市の施設で処理することができない、大型の蛍光灯などに使われていたPCBを含む部品は、北海道室蘭市と北九州市の施設で受け入れるなどして処理の迅速化を図り、平成37年度までにすべての処理を終えるとしています。
施設のある自治体からは、一刻も早く処理を終えるよう求められていて、環境省は迅速な処理に努めることにしています。
(平成26年5月14日 NHK NEWS WEB より)