関西電力送配電は、20年以上前に変圧器の一部から国の基準値を超えた有害物質のPCB=ポリ塩化ビフェニルが検出されていたことを隠し、国などに虚偽の報告を行ったと発表しました。
発表によりますと、関西電力送配電は、6年前(2018年)、台風21号の影響で倒壊した電柱の変圧器から国の基準値を超える低濃度のPCBを検出し、2019年に国などに報告を行いました。
健康被害が相次いで指摘された有害物質のPCBは、変圧器の絶縁などに使われる油に含まれていましたが、会社では1990年以降、国の指示や法令などに基づいて、変圧器の内部を洗浄したうえで、新しい油に交換するなどしていました。
しかし、会社の担当部門は、1998年ごろに、再利用した変圧器の一部から、国の基準値を超える低濃度のPCBが検出されたことを把握していましたが、その事実は隠され、国などへは虚偽の報告を行ったということです。
去年11月に内部通報があり、社外の弁護士による調査の結果、当時、担当部門のトップだった高市和明 副社長が、虚偽の報告を指示していたことが明らかになったとしています。
高市氏は、1日付けで会社の副社長を辞任しました。
会見で関西電力送配電の白銀隆之 社長は「コンプライアンスの徹底をはかる中で起きたことを大変重く受け止めている。原因究明をしっかりと行って、再発を防止したい」などと述べ、陳謝しました。
(2024年10月1日 NHK 関西 NEWS WEB より)動画あり