ことし3月に操業を終了したPCB=ポリ塩化ビフェニルの処理施設を受け入れてきた北九州市に対し、環境省は1日、国内のPCB処理の推進に大きく貢献したとして感謝状を贈りました。
北九州市役所で行われた贈呈式では、環境省の国定勇人環境大臣政務官が「まだ完全にPCB事業が終了したのではなく、北九州事業所の最後の解体や撤去まで環境に影響のないようにしっかり取り組んでいきたい」と述べました。
これに対し、武内市長は「市民や若松区民の理解があってこそでご理解とご尽力のたまもの。PCB処理の完了がわが国に貢献できたと認識している」と述べました。
PCBは安定器などの電気機器に使用されていましたが、人体に取り込まれて蓄積すると、しびれを起こすなどの健康被害が出ることがわかったため、昭和47年に製造が中止されました。
その後、国はPCB廃棄物の処理を専門に行う特殊会社「JESCO」を設立し、北九州市を含む全国5か所で無害化処理を進めてきました。
北九州市は全国に先駆けて若松区内にこの処理施設の立地を受け入れてきました。
この施設は、平成13年から23年間、処理事業を続けて、ことし3月末に操業を終えました。
北九州市によりますと、現在、処理施設の建物の解体が行われているということです。
北九州市環境監視課の松岡靖史課長は「事業自体は終了したが、撤去や解体が完了するまで引き続き、監視や指導を続けていきたい」と話していました。
(2024年8月1日 NHK 北九州 NEWS WEB より)