1980年製の変圧器があるので、PCBが使用されているか調べて欲しいというご依頼をいただきまして現地に採油に行ってきました。
44年以上前に製造された変圧器でしたが、まだまだ現役で動いていました。つくづく日本製は耐久性が良いなと感じ、なんだか嬉しい気持ちになったのは私だけでしょうか。
さて、当日は電気管理技術者様に電気を止めてもらって作業させていただきました。上部にあるハンドホールの四隅のネジを外してフタを開けて油を採取しました。 採取した油を弊社分析所に持ち帰って測定を行い、測定結果を報告しました。
今でも1960年台~1980年台の変圧器をご利用の事業所も相当数おられます。低濃度PCBの処分は2027年3月までとなっております。もしお使いの変圧器やコンデンサ等の電気機器にPCBが含まれていた場合、取り換えになりますので、まだご使用の電気機器のPCB含有の有無が不明な場合は、メーカーホームページで確認したり、油を直接抜き取って測定に出すなどしてその有無を明確にするようお願い致します。
また、このように製造から40年も経っているので、変圧器内部の絶縁紙が劣化している可能性があります。絶縁紙の劣化生成物であるフルフラールとう成分が絶縁油中に溶けだしてくるので、それを測定して劣化状態を評価することができます。絶縁紙が劣化すると、その絶縁性能が低下し、導体同士が電気的に接触してしまう可能性があり、不運にもこれが起こると、火花放電や短絡が発生し、重大な事故につながる可能性があります。なのでフルフラール測定も定期的に行いその増加傾向の監視もお勧めします。
ちなみに今回の当該変圧器は近々運用停止&廃棄する予定とのことでしたので、フルフラール測定は行わないことになりました。
弊社ではPCB測定やフルフラール測定も行っておりますので、お問合せください。