国が進める、有害物質のPCB=ポリ塩化ビフェニルの廃棄物処理をめぐり、北九州市での処理事業が終了したことを報告する住民説明会が開かれました。
PCBは安定器などの電気機器に使用されていましたが、健康被害が判明して製造が中止され、国は北九州市を含む全国5か所に高濃度のPCBを無害化する専用の施設をつくり、処理を進めてきました。
このうち2004年から西日本エリアのPCB廃棄物を受け入れてきた北九州市若松区の施設では先月、処理事業が終了しました。
説明会には住民11人が参加し、処理施設の渡辺謙二所長が地元の理解を得て事業が進められたとして感謝を述べました。
その上で処理にあたっては、PCBが土壌や大気に漏れ出さないよう施設の床に特殊な塗装を施したり、排気に含まれるPCBの濃度を監視したりして作業を進め、周辺環境への影響はなかったと説明しました。
また、住民の質問に応える形で▼従業員の健康被害は確認されなかったことや▼今後、西日本エリアで高濃度のPCBが見つかった場合の対応は今後環境省が検討していくことなどが説明されました。
北九州市の処理施設は2030年ごろまでに解体されるということで、渡辺所長は「解体工事はPCBを外に漏らさずに行い、周辺環境に影響がなかったと改めて皆さんに報告できるようにしたい」と話していました。
説明を聞いた70代の女性は「地元で処理すると聞いた時は危険性を感じていたので安心しました。解体も安全に進めてほしい」と話していました。