人体に有害な高濃度のポリ塩化ビフェニール(PCB)を含む廃棄物が、新たに川崎市の9施設で計94台見つかったことが26日、市への取材で分かった。2000年以降に実施した過去の調査で見逃されていたという。
PCBは1968年のカネミ油症事件の原因にもなった有害な化学物質。50~70年代に国内で製造された変圧器や照明器具など電気機器に使われた。 市廃棄物指導課によると、これまで複数回、PCB廃棄物の処理について期限内に終わらせる必要があることや、調査方法などを庁内に周知してきたが、新たに見つかる事例があるため、各部署で昨秋以降、最終的な調査をした。
その結果、生田浄水場で蛍光灯安定器58台、潮見台配水所で蛍光灯・水銀灯安定器8台などが見つかった。9施設には木月小(中原区)、有馬小(宮前区)など市立4校も含まれる。他の部署からは「PCB廃棄物はなかった」と報告を受けたという。
市教育委員会は昨年12月の市議会一般質問で、高津区の坂戸小と高津高の市立2校で高濃度PCB廃棄物が見つかったと報告していた。市のPCBの計画的処理期限は本年度末までと定められており、市は新たに見つかった廃棄物についても年度内に処理業者との契約を済ませる方針。(北條香子)
(2024年2月27日 東京新聞 TOKYO Web より)