国が長年にわたって続けているPCB=ポリ塩化ビフェニルの廃棄物処理が進むなか、ことし3月に稼働を停止する北九州市若松区にある処理施設では、31日、最後の廃棄物の受け入れが行われました。
PCBは安定器などの電気機器に使用されていましたが、人体に取り込まれて蓄積すると、しびれを起こすなどの健康被害が出ることがわかったため、昭和47年に製造が中止されました。
その後、国はPCB廃棄物の処理を専門に行う特殊会社「JESCO」を設立し、北九州市を含む全国5か所の事業所で処理を進めてきました。
31日はことし3月に稼働を終える北九州事業所に最後のPCB廃棄物が搬入されました。
「JESCO」によりますと、北九州事業所では平成16年以降、主に西日本各地から受け入れて、これまでに安定器およそ1万トン、コンデンサーおよそ6万台、変圧器およそ2800台の処理実績があるということです。
これらのPCB廃棄物は全国的にも処理が進んだことから、北九州事業所のほかにも近く2か所が稼働を終えるということです。
「JESCO」北九州事業所の渡辺謙二所長は「地元の方々の理解があり20年間処理を進めることができ感謝しています」と話していました。
北九州市環境局の作花哲朗環境監視部長は「当時、PCBの紛失が相次ぎ、影響が心配されていたので、市が受け入れて処理を進めてきたことを非常に誇らしく思います」と話していました。
(2024年1月31日 NHK 北九州 NEWS WEB より)