宮城県が、気仙沼市内の橋の撤去工事の際に人体に有害な物質を含む塗装の処理を適正に行っていなかったことが分かりました。これによる健康被害などは確認されていません。
有害物質の不適正な処理が判明したのは、気仙沼市南郷にあった県管理の「渋板橋側道橋」です。県によりますと、この橋の塗装には、現在は製造中止になっている有害物質のPCB=ポリ塩化ビフェニルがおよそ300ミリグラム使われていて、県は特措法に基づき免許を持った業者に運搬や処理を委託する必要がありました。しかし、気仙沼土木事務所が橋の撤去業者にPCBの処理について伝え忘れていたため、今年3月、除去処理を行わないまま撤去・スクラップ処理されたということです。
PCBを含む塗装はすでに業者により熔解され無害化されていて、これまでに健康被害を訴える人は出ていないということです。県内には今後処理が予定されている橋がほかに14あるということで、県は関係者への周知を徹底し再発防止に努めると説明しています。