小樽市総合博物館所蔵の電気機関車内で確認されたPCBを含む機器の処理について
「北海道新聞」小樽・後志版で6月7日に報道されました、「小樽市総合博物館の鉄道車両に高濃度PCB 市は撤去、廃棄へ」の記事につきまして、たいへん多くの皆様より様々なご意見をいただいております。
現在の状況をご説明させていただきます。
この記事は、まもなく開催の第2回定例市議会に提出された補正予算案に、電気機関車内に確認された高濃度PCBを含む機器の撤去、処理、さらにそれに伴う車両の解体経費等を計上したことについての報道です。
該当の電気機関車はED75 501とED76 509の2両です。昨年6月にJR北海道より、PCB使用の機器が存在する可能性を御連絡いただき、その後、処理の方法や手順などについて専門的な知識をお持ちの方々を交え検討してきたところです。
当館としては、完全な形での保存は難しいものの、他の事例も踏まえた上で、該当の器材だけを取り出し外形だけでの保存、もしくはそれも困難な場合は運転席のみの保存など、いくつかの選択肢について検討してきました。
しかしながら、当該車両につきましては、大型変圧器以外にもコンデンサの一部にPCBが含有されていることが判明しており、これら以外にもPCBが使用されている可能性のある部品が1両当たり数百点あると指摘されています。そのため、全ての部品を取り出した上で調査・分析を実施し、完全にPCB処理を完了させる必要があります。このような処理における作業内容や作業環境などを総合的に判断し「解体せざるをえない」という結論に達しました。
なお、解体して調査を行った後の部品で、PCB等の問題がないものについては当館の資料としてできるだけ保存していきたいと考えておりますが、これについては解体調査の結果次第で達成できない可能性も含んでおります。
地方博物館としては、地域の歴史を伝える貴重な資料を解体せざるを得ない状況に至ったことを誠に申し訳なく、また慚愧に堪えません。
今後、残された車両の保存方法についても全面的な検討を加え、北海道の鉄道史を伝える博物館としての責務を果たせるようにしてまいります。
なお、準鉄道記念物となっているED75 501については、JR北海道と現状について情報を共有しております。
状況についてはまた改めてご報告いたします。