昭和40年代に西日本で相次いだ国内最大規模の食品公害「カネミ油症」で、長崎県内では、今年度の検診を受けた1人と、患者の同居家族を認定対象とする審査により3人の合わせて4人が新たに患者として認定されました。
「カネミ油症」は、昭和40年代に北九州市のカネミ倉庫が製造した食用油に有害なPCBなどが混入し、福岡や長崎など西日本を中心に健康被害が相次いだ国内最大規模の食品公害です。
カネミ油症をめぐっては、毎年、全国で新たな患者の認定に向けた検診が行われていて、今年度、長崎県内では64人が検診を受けました。
その結果、五島市に住む80代の女性が新たに患者として認定されました。
一方で、5人が総合的に認定には至らないものの経過観察の対象とされ、残る58人は認定されませんでした。
また、長崎県は問題の油を摂取した当時、患者と同居していた家族を認定対象とする審査により、県内の3人を新たに患者として認定しました。
この結果、県内に住むカネミ油症の患者は430人になりました。
県生活衛生課は、「来年度も検診を予定しているので、ぜひ検診を受けてほしい」と呼びかけています。