原発事故が起きた福島県の特定の地域にあった高濃度PCB廃棄物をめぐり、環境省は26日、室蘭市での処理が「安全に完了した」と研究者や市民団体が出席した会議で報告しました。
室蘭市にある国の施設では、東京電力福島第一原子力発電所の事故のあと、福島県内で指定された「汚染廃棄物対策地域」にあった有害物質の高濃度PCB=ポリ塩化ビフェニルを含む廃棄物を無害化する作業がことし8月から先月にかけて行われました。
室蘭市では26日、この処理をめぐり、研究者や市民団体の代表らと意見を交わす会議が開かれ、環境省の担当者は、処理作業が行われた期間中に大気中の放射線量などに異常な値は確認されておらず、「安全に処理を完了した」と報告しました。
一方で、この処理には、反対する声も根強くあり、会議に出席した市民団体の代表からは再び室蘭市で処理が求められるのではないかと懸念する声が上がりました。
会議に出席した市民団体「PCB処理の安全性を考える会」の河野秋昭代表は「市民の中にはまた来るんじゃないかという心配があります。市民の意見を言わないといけないし、聞いてもらわないといけない」と話していました。