塗膜にPCBが含有しているか調べて欲しいとのご依頼をいただきました。
PCBは一部塗料の可塑剤として添加されていたことが知られています。特に一部の塩化ゴム系塗料に使用されており、当該塗料が当時塗装された道路橋等の鋼構造物の塗膜からPCBが検出されています。これらのポリ塩化ビフェニル含有塗膜の大部分は塗膜としての使用を廃止した場合、低濃度ポリ塩化ビフェニル廃棄物に該当すると考えられています。
環境省が行った調査によりますと、1966年~1974年までに建設又は塗装されたものが調査対象とされ、分析等を行うべき調査対象施設は調査対象施設全体数に対して57%になるという結果が出ました。
調査対象施設は以下です。
〇橋梁
・道路橋
・鉄道橋
〇洞門
〇排水機場
〇ダム
〇水門
〇タンク
・石油貯蔵タンク
・ガス貯蔵タンク
〇船舶
分析の結果PCBが含有していた場合、塗膜は可燃物ですので、濃度が100,000mg/kgを超えると高濃度PCB廃棄物扱いになります。まとめると以下のとおりです。
・PCB濃度(塗膜) 0.5mg/kg以下 → 非PCB廃棄物
・PCB濃度 (塗膜) 0.5mg/kg超過~100,000mg/㎏ → 低濃度PCB 廃棄物
・PCB濃度 (塗膜) 100,000㎏超過 → 高濃度PCB廃棄物
塗膜にはPCBの他にも鉛やクロム等の有害重金属も含まれている場合もあります。
弊社では全ての成分について分析可能ですので、その際はお問合せくださいませ。