原発事故があった福島県の特定の地域にある高濃度PCB廃棄物をことし8月に室蘭市で処理する国の方針を受けて、地元の市民団体などが改めて住民説明会を開くよう求めました。
環境省は今月、東京電力・福島第一原子力発電所の事故のあと福島県内で指定された「汚染廃棄物対策地域」にある高濃度PCB=ポリ塩化ビフェニルを含む廃棄物をことし8月上旬に室蘭市にある国の施設で処理する方針を示しました。
これを受けて27日、処理に反対する地元の市民団体のメンバーなどが室蘭市役所を訪れ、小泉賢一副市長ら市の幹部と面会しました。
この中で市民団体の共同代表は「国の方針について住民に何の説明もない。事業を強行すれば市民感情を逆なでする」と述べ、国や道とともに改めて住民説明会を開くよう求める要望書を手渡しました。
これに対し小泉副市長は「これまでの住民説明会や現地の確認、専門家の意見などを総合的に判断して受け入れを決めた。市として国の処理計画や安全対策が確実に実施されることを求めていきたい」と市の立場を説明しました。
市民団体の柳田美智子事務局長は「住民はまだまだ知りたいことがある。しっかり市民の疑問に答えて、市としての責任を果たしてほしい」と話していました。