消毒液中の有効塩素濃度を測定して欲しいとのご依頼をいただきまして測定しました。
有効塩素は、別名残留塩素ともいわれ、次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンの形で存在する塩素の事を言います。
今回測定を行った方法はヨウ素滴定法という方法で、弱酸性溶液中で有効塩素(残留塩素)によってヨウ素を遊離させて、そのヨウ素をデンプン液を指示薬としてチオ硫酸ナトリウムで滴定して有効塩素(残留塩素)濃度を定量する方法です。
下の写真は試料を酢酸溶液で弱酸性溶液にして、ヨウ化カリウムを投入してヨウ素を遊離させてデンプン指示薬を入れた時の写真です。写真のように真っ黒な液になります。
子どもの頃、切ったジャガイモの面にヨードチンキをつけてスタンプのように遊んだことがある方もいるかもしれませんが、その原理を用いて測定します。
この黑い液にビュレットに入れたチオ硫酸ナトリウム溶液を滴下していくと、徐々にヨウ素が還元されて液が透明になってきますので、完全に色が無くなった時点、いわゆる透明になった時点が終点となります。チオ硫酸ナトリウム液がどれだけ使ったが分かれば有効塩素(残留塩素)濃度が求められます。
同様に市販の生理食塩水でも同様の測定をしましたが、ヨウ化カリウム&デンプンを入れても黒くなりませんでした。つまり有効塩素(残留塩素)は検出されませんでした。これは当該試料に次亜塩素酸イオンが存在しないためにヨウ素を遊離させることができないためです。なので消毒作用としてはあまり期待ができないとも言えます。
また、JIS B8701次亜塩素酸水生成装置には、品質規格として①電極の溶出許容限度、②次亜塩素酸水の殺菌性能、③次亜塩素酸水の重金属類許容濃度が設定されています。弊社では②次亜塩素酸水の殺菌性能と③次亜塩素酸水の重金属類測定を行うことができますので、次亜塩素酸水及び次亜塩素酸なトリウム水の性能チェックの際はお問合せください。