原発事故のあと福島県内で発生した高濃度PCB廃棄物を室蘭市で処理する国の計画をめぐり、事業をチェックするための会議が開かれ、出席者からは処理の説明が不足しているとして反対の意見が相次ぎました。
福島県内の「汚染廃棄物対策地域」から出た有害物質のPCB=ポリ塩化ビフェニルを含む廃棄物について、環境省は室蘭市にある施設で処理する計画を示し、市と道は去年12月、受け入れを容認しました。
室蘭市では7日、国の事業をチェックするための会議が開かれ、市民団体の代表や学識経験者などの委員が出席しました。
この中で、道の担当者は「処理の安全性を現地で調査した有識者の意見などを踏まえ判断した」と説明しました。
これに対し委員からは「環境省の説明は大ざっぱだ」とか、「道に質問状を出しても返事が来ない」など、説明が不足しているとして、処理に反対する意見が相次ぎました。
委員の1人で、PCB処理の安全性を考える会の河野秋昭代表は「現地調査の情報がきちんと公開されていない。手続き上も行政として不完全なやり方と感じた。安全性が確認されるような状況ではない」と話していました。
環境省は「処理を始める時期は決まっていない。今回出された意見や疑問にしっかり答えていきたい」としています。