原発事故のあと福島県内で発生した高濃度PCB廃棄物を室蘭市内で処理する計画について、市と道は22日、環境省に対して「妥当と判断した」と伝えるとともに、事故や異常が発生した場合の対応計画の策定などを求めました。
環境省は、東京電力・福島第一原子力発電所の事故によって放射性物質に汚染された可能性がある、福島県内の「汚染廃棄物対策地域」から出たPCB=ポリ塩化ビフェニルを含む廃棄物を室蘭市にある国の施設で処理する計画を示しています。
この計画について、室蘭市の小泉賢一副市長と道の担当者が22日、環境省を訪れ、「国の処理計画は妥当なものと判断した」と伝えました。
その上で、事故や異常が発生した場合の対応計画を事前に策定して公表することや、放射性物質による影響がないと確認された廃棄物以外は持ち込まないことなどを求めました。
これに対し、環境省の担当者は「求められた事項を確実に履行し、安全に処理を進める」などと回答したということです。
また、室蘭市はPCB廃棄物の受け入れをめぐり意見を聴いた専門家の名前や詳細を公表していませんでしたが、23日、ホームページ上で初めて明らかにしました。
一方で、市が受け入れを認めたことについて、地元の市民団体などからは「住民への説明責任を果たしていない」などとして抗議する声も上がっています。