原発事故のあと福島県内の特定の地域で発生した高濃度PCB廃棄物を室蘭市で処理する計画をめぐり、地元の市民団体が撤回を求める声明文を市に提出しました。
環境省は東京電力・福島第一原子力発電所の事故のあと、福島県内の「汚染廃棄物対策地域」で発生した有害物質のPCB=ポリ塩化ビフェニルを含む廃棄物について、放射性物質の影響がないことを確認した上で、室蘭市にある国の施設で処理する計画を示しています。
この計画に反対している地元の市民団体のメンバー4人が10日、室蘭市役所を訪れ、撤回を求める声明文を青山剛市長に手渡しました。
声明文では原発事故のあとに制定された特措法を適用して廃棄物が処理されることになり、放射性物質の濃度が高い廃棄物が持ち込まれる可能性があると指摘しています。
これに対し青山市長は「環境貢献をしつつ、市民の安全をどう確保するかを考えている。声明の趣旨を踏まえて対応を図りたい」と答えました。
また青山市長は11日から担当部長らを福島県に派遣し、廃棄物の保管状況や周囲の放射線量を確認する考えを明らかにしました。
市民団体の池弘美共同代表は「廃棄物は動かさないことが大事だと思う。青山市長には室蘭では引き受けないという決断をしてほしい」と話していました。