53年前、化学物質が原因で起きたカネミ油症事件について、国が認定患者の子と孫を対象にした初めての健康実態調査を今年の夏、実施することになりました。
1968年に発覚したカネミ油症事件は市販の油に化学物質「PCB」が混入して起こったもので、被害者には今も深刻な健康被害が続き次世代の被害を訴える声も上がっています。被害者団体などからの要望を受け国は認定患者の「子供」を対象にした健康実態調査の実施を決定し、調査方法などの検討を進めていましたが、先月25日に開いた油症対策委員会の場で調査対象に「孫」も加える方針を明らかにしました。今月末、加害企業を加えた三者協議の場で内容を確認後、認定患者に「調査票」を送り、子や孫に渡してもらう形で実施します。家族に被害を隠している人もおり、どれ位の規模の調査ができるかは不透明ですが次世代にまで及ぶ油症被害の実態把握とその救済の足掛かりになることが期待されています。