有害物質のPCB=ポリ塩化ビフェニルを含む変圧器などを処理するため室蘭市に設置された国の施設は、特定のPCB廃棄物の処理を委託する期限が今月末で残り1年となることから、保管する事業者に回収への協力を呼びかけています。
PCBは、変圧器などに絶縁用の油として使われていましたが、昭和40年代に発生した大規模な食品公害、「カネミ油症」をきっかけに製造や使用が禁止されました。
高濃度PCB廃棄物の処理施設は全国に5か所あり、このうち国が室蘭市に設置した施設「北海道PCB処理事業所」では平成20年から道をはじめ、東北や北陸などから回収した廃棄物の無害化を進めています。
この施設では、事業者が変圧器など特定のPCB廃棄物の処理を委託できる期限が来年3月末と定められていて、今月末で残り1年となります。
事業所によりますと、把握しているPCB廃棄物のうち、およそ95%を処理したということですが、まだ保管を届け出ていないケースもあると見られるため、事業者に対し回収への協力を呼びかけています。
松本修所長は、「まだPCB廃棄物の存在に気づいていない人もいるかもしれません。どんな小さなことでも、地元自治体や私たちに問い合わせをして、処理につなげることにご理解をいただきたい」と話しています。