規制化学物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)を高濃度に含む変圧器やコンデンサー類の処理を巡り、九州などで処理期限以降に「処理漏れ」の廃棄物が見つかった問題で、7月末の処理漏れの確認数が約160件に上ったことが、環境省への取材で分かった。1月時点の確認数約80件から倍増した。
PCBを高濃度で含む廃棄物の処理は、国全額出資法人の「中間貯蔵・環境安全事業」(JESCO)が担い、変圧器などの処理は全国の5事業所が地域ごとに分担。九州・中四国・沖縄の17県については、北九州事業所(北九州市若松区)が受け持った。処理期限は2019年3月末で北九州事業所では既に、変圧器類を処理する工場の解体作業が始まっている。
しかし、廃棄物の保管業者の見落としなどで処理期限以降、処理漏れが相次ぎ発覚。環境省廃棄物規制課などによると、1月時点では15県で確認された処理漏れが、その後の調査でさらに増加し、17県全てで確認されたという。対応について、同省は「検討している」と述べるにとどまった。