次亜塩素酸水の有効塩素濃度の測定

新型コロナウイルス対策として消毒剤の需要が増しております。先日、次亜塩素酸水製造装置の性能を確かめたいとのことで、有効塩素濃度の測定ご依頼をいただきました。

「食品、添加物等の規格基準」では、以下の様に定めています。

強酸性次亜塩素酸水 本品は、有効塩素20~60mg/kgを含む。
弱酸性次亜塩素酸水 本品は、有効塩素10~60mg/kgを含む。
微酸性次亜塩素酸水 本品は、有効塩素10~80mg/kgを含む。

測定試料(左は次亜塩素酸水、右は市販漂白剤)

 次亜塩素酸水と似たようなものに次亜塩素酸ナトリウム水があります。両者は全く別物で用途には注意を要します次亜塩素酸水は基本的に酸性ですが、次亜塩素酸ナトリウム水はアルカリ性です。ホームセンターには蒸気にして噴霧する機器が販売されていますが、使用するのは次亜塩素酸水です。次亜塩素酸ナトリウムを使用してしまうと、激しく咳き込んだり、嘔吐したりして不快な状態になったりしますので、注意が必要です。取り扱い説明書をよく読んで使用するようにしてください。

 次亜塩素酸ナトリウム水はアルカリ性のため、皮膚や顔にかけたりして目に入ると大変危険です。視力が極端に落ちたりしますのでそのようなことは絶対にしないでください。

 次亜塩素酸水・次亜塩素酸ナトリウム水の有効塩素濃度を測定するには、「ヨウ素滴定法」という方法を用います。試料中の残留塩素を測定します。原理は、「試料を弱酸性溶液にして残留塩素によってヨウ化カリウムを酸価させてヨウ素を遊離させ、そのヨウ素をデンプン溶液を指示薬としてチオ硫酸ナトリウムで滴定し、残留塩素を定量する方法です」(出典:上水試験法)。

測定の様子(チオ硫酸ナトリウムで滴定して液色を黄色に近づけます)

測定の様子(デンプン溶液を指示薬にして透明になるまで滴定します)

 ご依頼いただいた試料をヨウ素滴定法で濃度を求めましたら43.7mg/kgでした。弱酸性次亜塩素酸とのことでしたので、有効塩素濃度は適正範囲内でした。

 また、市販の漂白液に含まれている有効塩素濃度も測定してみました。出荷時の有効塩素濃度が6%と表記がありました。測定結果は6.2%という結果になり、表示通り6%程度入っていることがわかりました。

 弊社では次亜塩素酸水・次亜塩素酸ナトリウム水の測定を行っておりますので、お問合せくださいませ。

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