北見市が年明けから
北見市のPCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物処理が年明けに本格化する。人や環境に悪影響を及ぼす特別管理産業廃棄物に指定されているPCB。市の処理計画によると、高濃度PCB廃棄物は26~30年度に1894台を処理する予定で、26年度はそのうち273台を室蘭市にある処理施設に送る。
高濃度は30年度までに1894台
低濃度は見通し立たず
PCBは化学的に安定で絶縁性が高く、かつて電気機器用の絶縁油、熱交換器の熱媒体などに広く使われていた。だが、発がん性などを理由に国が昭和47年にPCB製造を禁止、平成13年施行のPCB特別措置法により、処理体制が整うまで適切な保管が義務付けられた。
その後、国の指導によって全国5カ所に処理施設が整備され、道内は室蘭市で処理を始めている。北見市は25年に高濃度コンデンサ15台を処理している。
総務部総務課によると、市大和のPCB保管庫にあるPCBを含む廃棄物は公共施設で使われていた蛍光灯安定器や高圧コンデンサなど高濃度廃棄物が1894台、高圧トランスなどの低濃度廃棄物が54台。このほか、濃度未検査廃棄物が45台あり、検査後に適正処理する考え。
高濃度廃棄物は5年間で1894台の処理を計画、処理費用は約1億2千万円に上る見通し。
一方の低濃度廃棄物は26年3月に国の認定を受けた苫小牧市の処理施設で処理が行われるが、全国的に数が多く処理期限が平成38年度とされ、北見市分の処理見通しは立っていない。(澄)